歯石が気になり除去したいという方は多いのではないでしょうか。
歯石はとても硬いので一度できてしまうと自分で除去することができません。
また、そのまま放置すると、虫歯や歯周病に繋がってしまう恐れがあります。
では、歯石はどのように除去すれば良いのでしょうか。
今回は、歯石の予防と除去の方法についてご紹介します。
歯石とは?
歯石とは、歯ブラシで除去しきれなかった歯垢(プラーク)が、石のように硬くなった物です。
そもそも歯垢は、歯磨きが不十分である場合に歯面でつくられる細菌の塊のことで、1mgの歯垢の中には1~2億の細菌が潜んでいると言われています。
この歯垢が、唾液に含まれるリン酸やカルシウムなどと結合することで歯石に変化します。
個人差はありますが、歯垢は約24時間でつくられ、約48時間で歯石になると言われています。
歯石には種類があり、歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石の2つに分類されます。
歯肉縁上歯石は歯肉より上にある歯石のことで、唾液に含まれるリン酸カルシウムと結合することでつくられます。
歯肉縁下歯石は歯周ポケット(歯と歯肉の溝)に付着した歯石のことで、歯周ポケットのミネラルと歯垢が結合することでつくられます。
歯石自体に害はないのですが、表面が石のようにデコボコしているため、細菌が付着しやすく虫歯や歯周病になる可能性があります。
歯磨きをしっかりとすることで歯石は予防できる
歯磨きで歯石を落とすことはできませんが、予防をすることはできます。
歯石ができる原因は、歯垢をしっかりと落とせていないことなので、予防するために一番大切なことはブラッシングです。
歯垢は水に溶けにくく、うがいをしただけでは落とすことができないため、ブラッシングをして歯垢を落としましょう。
ブラッシングをしても歯垢が最も残りやすい箇所は、奥歯の間です。
歯ブラシが届かないような細かい箇所は歯間ブラシやデンタルフロスを使用してしっかりと歯垢を落としましょう。
以下は歯磨きの際のポイントになります。
・歯ブラシの持ち方
鉛筆を持つように持ち、毛先が広がらないくらいの圧で優しく磨きましょう。
・奥歯の磨き方
奥歯の噛み合わせ部分は歯ブラシを横から挿入し小さく動かし、1本ずつ丁寧に磨きましょう。
・歯の表面
歯茎が健康な場合は歯ブラシを直角に、弱っていたり歯周病の場合は45度の角度で磨きましょう。
・前歯の裏側
歯垢と唾液の中のカルシウムが結合して歯石が付きやすい箇所です。歯ブラシを立てて角の部分を使って磨きましょう。
歯石除去は歯科医院でしてもらう
歯石は必ず歯科医院で除去してもらいましょう。
歯や歯周ポケットに付着した歯石を除去するので、状況によっては痛みが生じたり通院が必要になる場合があります。
もし自分で歯石を除去しようとすると、誤って歯や歯肉を傷めてしまう恐れがあります。
また、歯科医院で受ける歯石除去は主に3種類あり、それぞれ施術方法や除去する箇所が異なるため下記にてご説明します。
①スケーリング
スケーリングとはスケーラーと呼ばれる先の尖った専用の器具を使用する除去方法で、主に歯肉縁上歯石の除去を行います。
スケーラーには以下の3種類があります。
・超音波スケーラー
・ハンドスケーラー
・エアスケーラー
超音波スケーラーで歯石を砕き、細かい部分はハンドスケーラーで取り除いていきます。
エアスケーラーは、痛みを最小限に抑えることができますが、他のスケーラーに比べると歯石除去の効果は劣ります。
また、歯肉縁上歯石は比較的歯石の除去がしやすいため、1~2回の通院で除去することができます。
②ルートプレーニング
ルートプレーニングとは、歯肉縁下歯石を除去することを言います。
歯周ポケットの中にある歯石を除去するので非常に強い痛みを伴います。
そのため麻酔をしてから行います。
麻酔が切れると痛みが生じるので広範囲で行うことができないため、一度の施術で1~4本程度の施術となります。
③フラップ手術
フラップ手術とは、歯周外科治療のひとつです。
ルートプレーニングでは取ることができない歯石で、歯周病が進行している場合に行います。
歯茎を切り開き歯周ポケット内の歯垢と歯石を取り除いていきます。
まとめ
歯石は歯垢が硬くなったもので、歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石の2種類に分類されます。
一度できてしまった歯石は自分で取ることはできません。
自分で除去すると歯茎を傷めてしまう可能性があるので、必ず歯科医院で歯科医師または歯科衛生士に除去してもらいましょう。
歯や歯茎の状態によっては、歯石除去の際に痛みを伴う場合がありますが、麻酔をしたあとに施術をすることが出来るので痛みが苦手な方も安心してください。
また、日々の歯磨きをていないに行い歯垢を残さないようにすることで、歯石を予防することができます。
※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません。